翌日の午前。記者会見の行われるホールでは、多数の記者がアメリアの到着を待っていた。テレビカメラが多数並び、証明で席が照らされる。ここはアドラシスコでも五本の指には必ず入るであろう、高級ホテルの一室だ。披露宴用の大きなホールで、35階建ての30階に位置している。
 現場の警備にはかなりの数のアンドロイドが投入されており、人間は少ししかいない。ある種独特の雰囲気の中、記者が雑談をしていると、正面にアメリアが姿を現した。映画で着ていた、タンクトップにミドルスカートという格好だ。青春物の恋愛映画なので、大学生の私服ようだが、それを着ている人物と相まってか、活発そうな美人に見える。ティナは記者席の後ろに座って、アメリアの姿を見ながら、自分の服と比較した。
『あたしもちょっとはおしゃれしたいな。今度、服でも見に行こう』
 ぼんやりとそんなことを考える。後ろには記者の私物の他、使用されていないカメラや、布をかぶせられた機材などが置いてある。
「お待たせしました」
 アメリアの一言に、記者がデジタルカメラで写真を撮り始める。フラッシュの光がアメリアを何度も照らし、少しまぶしそうに目を細めた。
 何事もなく始まった記者会見を聞きながら、周りを見回すティナ。怪しい人物やアンドロイドなどは特に見られない。もっとも、今怪しくなくても、後に何かを起こす人物ならばいるだろうが。
「始まったな」
 いつの間にか隣に来ていたジェームスがティナに声をかけた。スーツ姿のジェームスに、ティナは何も言わず頷いてみせる。
「昨日、あのことについて話をしたと、アメリアから聞いたよ。前もって話をしていないのは悪かった」
「薄々変だとは思ってたよ。斡旋会社に行けば、ボディガードどころか傭兵だって雇えるはずだからね」
 アメリアが記者の質問に冗談めかして答え、場が盛り上がった。笑い声が響く。
「アタッカーは信頼できるからな。あそこまでくどく言ったのも、今日のためだよ。信頼できなければ、悪いが降りてもらうつもりでいた」
 疲れたような声で答えるジェームス。彼の額に汗が浮かんでいるのは、決して暑さのためだけではない。痛いぐらいに緊張しているのがティナにもわかった。
「それにしても、ひどい博打だよ。今までの情報を蓄積した結果とは言え、あたしならこんなことは絶対しないね。もし契約違反だって、反故にされたらどうするつもりだったの?」
「責任は市警が取るということで提案された。私だってしたくはなかったさ。だが、捨て身をしなければ、事態は好転しないと言われてな」
「まるでサムライみたい。肉を斬らせて骨を絶つって言う、東洋の捨て身論に似てる」
 何の気無しに周りにいる人間を見渡すティナ。警備用のアンドロイドが少なくとも六体、それ以外は記者とアメリア、ジェームス、ティナだけだ。
「そう言えば少年がいないな。彼は?」
「ああ、ちょっと仕込みにね。後で姿を見せるはず…」
 ガタッ
 イスの動く音が聞こえ、ティナが目を向ける。記者席の後方で、スーツを着た女性が立っていた。ちょうどティナの左斜め前だ。
「失礼ですが、ラールさん。あなたは今、正体不明の何者かに、命を狙われているそうですね?女優をやめないと、命を奪うとかなんとか…」
 女性のいきなりの言葉に、会場がざわめきだす。アメリアははっとした顔をしたが、すぐに立ち直って答えた。
「ええ、本当です」
 記者達がざわざわと話を始め、会場が一瞬でうるさくなった。ティナは一瞬、甲高い駆動音を聞いた気がした。会場にいるアンドロイドの、どの個体からも聞こえるはずのない音を。
「読みがあたったようね」
 イスから立ち上がるティナ。ジェームスはその隣で、女性の一挙一動に目を向けている。
「あなたはこの事件で女優を引退することはありますか?」
 女性が言い、アメリアは力強く、はっきりと、その問いに答えを返す。
「いいえ。私は私を応援してくれるファンがいる限り、今の仕事をやめることはありません」
 会場がさらにうるさくなり、テレビカメラやデジタルカメラが彼女の姿を写す。
「そうですか。それは残念です…」
 音を立てて女性の腕がアメリアの方へ伸びた。
 ガチャン
 腕の中程が、まるで携帯電話のように開き、一機の機銃が顔を見せた。
「なっ…!」
 ドンッ!
 ティナが走り出す前に、機銃から弾が発射された。低速のスラッグ弾。ショットガンで使用する弾丸で、散弾ではなく一粒だけの弾だ。貫通はしないだろうが、もし当たればその部分はまるで挽肉のように、弾の回転方向へねじれ、ちぎれ飛ぶ。
 弾がゆっくりとアメリアへ向かう。アメリアは目を閉じ、伏せようともしない。
『こんな、こんなことって…』
 懐のマッドキャットを出す間もなく、弾がアメリアに吸い込まれるように飛んでいくのを見ながら、ティナは徐々に加速していく絶望感を抱いていた。
 ギィィン!
 一瞬、アメリアの前方に青い壁が出現し、スラッグ弾はアメリアを逸れて後方の壁に当たった。そのとたん、ティナにかかった呪縛が解けた。何が起こったかわからないが、アメリアは生きている。それを理解した一瞬の間に、彼女はマッドキャットを出し、アメリアに銃を撃ったアンドロイドのこめかみに当てた。
「奇跡を計算に入れなかったのは間違いだったようね。おとなしく投降なさい!」
 アンドロイドはティナの言いかけにも答えず、身じろぎ一つせずにそこに立っていた。目がぎろりと動き、横に立つティナの顔を睨んだ。その目はまさに機械、生き物の暖かみなど一つも見られない。周りの記者は、じりじりと後ろに下がり、事の成り行きを見守っている。
「残念ね、お姉さん。あなたには止められない」
 ドンッ!
 アンドロイドの腕から低速スラッグ弾が放たれ、取材に来ていたテレビカメラのうちの一つを破壊した。
「う、うわああああああああ!」
 記者の一人が逃げ出したのを皮切りに、人が雪崩のように出口に殺到した。警備用アンドロイドが押しのけられ、会場の人間がどんどん外へ出ていく。ジェームスが走り出し、前でまだ目をつぶっているアメリアの手を引き、裏口へと連れ出した。
「モデルファイブ…」
「何だって?」
「私の名前よ。いい名でしょ?」
 アンドロイドは、丁寧に頭を下げた。正に人間の動きだ。従来型のアンドロイドと違うことがよくわかる。
「止める方法はいくらでもあるさ。今ここでやめれば殺人未遂で済むけれど、まだ続ける気ならば、アタッカーとして容赦はしないよ」
 引き金に指をかけるティナ。もしおかしなことをすれば、すぐに銃弾が放たれ、アンドロイドはスクラップになるだろう。
「そう。アタッカーなの。ならば少し手荒に扱ってもよさそうね」
 パチン
 アンドロイドが指を鳴らす。その音が響き渡ったとたん、警護用のアンドロイドが向きを変え、ティナの方へ拳を向けた。
「…冗談でしょ?」
 ティナが言うと同時に、モデルファイブの拳がティナの顔をとらえる。腰を引き、顔を後ろに反らして拳を避けるティナ。周りには6体、ハイスペックのアンドロイドが立っている。
「アタッカーのお姉さん、どうしたの?さっきまで威勢がよかったのに」
 モデルファイブを囲むようにアンドロイドが陣形を組む。銃を向けるが、拳銃程度でアンドロイド全てを相手に出来るとは思わない。
『一般人に迷惑はかけられない』
 一瞬でそう考えたティナは、ぱっと走り出した。目指すは裏口。出口に逃げれば他の人間がどんなことになるかわからない。裏口側には人は来ないように手配してあると聞いている。有事には、こちらにアメリアが逃げることになっていたという話だ。彼女たちを背に戦うのはあまりいい選択とは言えないが、バックヤードならばまだケンカもしやすいだろう。
 ドン!ドン!ドン!ドン!
 正確な射撃で、追おうとするアンドロイドの足に銃弾を撃ち込み、一瞬で走り抜ける。アンドロイドが鎮圧用に装備されていた機銃を抜く。中に入っているのは強化ゴム弾だ。と言っても、実弾とほとんど変わらない威力を持っている。もし弾が当たれば、巨大なハンマーで殴られたような衝撃を受け、骨ぐらいは簡単に折れてしまうだろう。
「こっちだ!」
 バタンッ
 扉を閉め鍵をかけるティナ。裏口の出た先は倉庫部屋になっている。披露宴などで使うテーブルやイスなどが置いてあり、元は広いはずの部屋が狭くなっている。非常口の前には大きな鉄パイプが何本も立てかけてあり、外には出られない。外に出ることが出来るのは、物資搬入用の通路だけだ。
「掃除しろよ、ったく…!」
 また走り出したティナの後ろで、ドアががたがたと揺れる。今は逃げなくてはいけない。アンドロイドが異常な動きをしているとわかれば、他にいるはずの警察官の助けが必要になる。
 バンッ!
 扉を蹴り開けるとその先には廊下が延びていた。廊下は突き当たりに非常口が見え、非常口の前で右側に折れ曲がっている。ティナの目に、先を走る男女の後ろ姿が見えた。アメリアとジェームスだ。
「ティナさん!」
 アメリアが後ろを向き、立ち止まった。ジェームスが振り向き、ティナの顔を見て安堵の表情を見せる。
「やつは?倒したのか?」
 走り寄るティナを待ちながら、ジェームスが聞く。
「追ってくる。あたし一人じゃ無理。警備のアンドロイドが全部乗っ取られてる。助けが必要だ」
 ドォォォン!
 ティナが言い終わるか言い終わらないかの間に、後ろで爆発音が響いた。どうやらアンドロイドが、鍵のかけられたドアを爆薬で吹き飛ばしたらしい。すぐに3人は駆け出す。非常ドアの前についたジェームスがノブを回すが、非常ドアはびくともしない。
「くそっ、開かない!何のための非常ドアだと…」
 バシュッ
 何かが破裂するような音に振り返るティナ。目に飛び込んできたのは、アンドロイドがグレネードランチャーで榴弾を発射している姿だった。
「伏せろ!」
 叫ぶが早いか、2人を廊下の曲がった方向へ引き倒すティナ。
 ドォォォォン!
 榴弾は鋼鉄製の非常ドアに当たり、大きな音を立てて爆発した。倒れた3人の上を、火炎が駆け抜けているのがわかる。
「あんな装備持たせてないはずだぞ!ちくしょう、外道め!」
 ジェームスがいち早く起きあがり、アメリアを安全な場所まで引っ張り込む。
「ここでくい止める。先へ行って」
 マッドキャットを構えなおすティナ。壁から身を乗り出し、銃を向ける。狙うは処理系ブロックのあるであろう頭だ
 ドン!ドン!
 手当たり次第にアンドロイドに銃弾を撃ち込むが、一向に倒れる様子はない。手持ちの機銃でティナに向かって撃ち返してきたのを見て、ティナは身を引いた。
「アメリア、行くんだ。私もここに残る。この先には味方がいるはずだ」
 そう言いながらジェームスが懐から出したのは、護身用のオートマチックハンドガンだった。
「わ、わかりました。応援を呼んできます」
 アメリアは廊下の先へ走り出す。廊下の先は客室が並んでおり、途中に「関係者以外立入禁止」と書かれた紙の下げてあるバリケードがある。
「一緒に逃げてくれた方が楽だったのに」
 銃のマガジンをチェンジしながらティナがつぶやく。
「君にだけいい格好をさせるわけにもいかないだろう。この階のロビーまで行けば仲間の警官がいるはずだ。ここをくい止めないと危ない」
 ジェームスが身を乗り出し、アンドロイドに発砲しながら言う。反撃をしたことで、アンドロイドは廊下の奥へ進入してくるのを断念したようで、機銃による応戦はするものの進行はしてこない。
「さっきの奇跡、すごかったね。どういう手品?」
「某武器会社が試作開発中のシールドだ。電磁的な障壁を作り、ある程度のエネルギーを受け止める。理論値では拳銃弾20発を防ぐというが…」
 ドォォォン!
 アンドロイドが撃ちこんだらしいグレネードが非常階段の扉に当たる。2度目ともなるとかなりのダメージになるようで、壁はえぐれ、扉はひしゃげてしまった。
「バリアってやつか。そんなSF映画みたいなもん、よく手に入ったね」
「それなりに値は張ったがな」
 頬をかする銃弾をよけながら、ティナがまた銃を撃つ。ティナの撃った弾はアンドロイドの一体にクリーンヒットし、アンドロイドはギリギリと音を立てて痙攣しはじめる。機械は叫ばないし泣かない。が、この音を聞くと、ティナは機械の悲鳴を聞いているようで、あまりいい気分がしない。この期を逃さず追加攻撃をしようとして、ティナはマッドキャットの他に何も武器を持っていないことに気がついた。
「まずった、装備の入った鞄を会見場に置きっぱなしにしちゃった。グレネードなんて持ってない?」
 ティナが持っていたら渡すようにと、片手で手招きして見せる。
「持っているはずがないだろう」
「そう、残念」
 渋い顔をするジェームスに、軽く返すティナ。たばこを持ってないか聞いたときのような軽さだ。何か有効な物がないかとポケットをまさぐるティナ。手に当たった袋を引き出してみると、それはエルナが作ったクッキーだった。
「あたしとしたことがミスったな。どうしたもんだろうね」
 袋から一枚取り出し、口に放り込む。かりかりと噛んでいると、現実感がないような、おかしな気分が、彼女に起こった。甘い味と、危険な状況。どちらも現実のはずなのに、どちらかが嘘のように思えてくる。
「こんな状況なのに、君は何をやってるんだ?」
 呆れ顔のジェームスが銃を出して発砲する。その腕を狙うように、アンドロイドの機銃が火を噴き、ジェームスは腕を引っ込めた。
「クッキー食べてるのよ。友人が作ってくれてね。一枚どう?」
「遠慮するよ…うわっ!」
 ガンッ
 跳ね返った弾がしゃがんでいる2人の上を高速で飛び抜ける。
「休む暇くらいほしいもんだね。ったく」
 クッキーの残りをポケットに突っ込んだティナは、銃のマガジンを替えて持ち直した。
 廊下の反対側から、何かが駆け寄ってくる音がする。振り向いたティナが見たのは、大きな荷物を抱えたジョンだった。
「遅いよ。何やってたの?」
「はっ、はっ、モバイルで場所を確認したけど、はっ、よくわからなくて…なにこれ、壁が、ひどく壊れてるね、はっ…」
 音を立ててバッグを下ろすジョン。バッグは長さ一メートル程度、幅が50センチメートル程度の大きな物だ。大きく息をつき、息を整える。
「ちょっと取り込み中でね。仕込みは?」
「ばっちり。半径2キロ以内での通信電波を全部保存するように、センサーをセットしてきたよ。ラジコン一つ逃さない。あと、誰が信用出来るかわからないっていう話だから、他の人間には会わない経路でここまで来たよ。これ、言われたものをバッグに詰めてきた」
 手に持っていたのは、ティナが以前使用していたものより大型の電波探知機だった。小さな画面に、次々と通信記録が表示されていく。内容から見るに、警察への通報が多いようだ。
「電波管理法違反だ。君は本当にアタッカーか?」
 探知機を見たジェームスが、呆れ顔を見せる。
「綺麗事じゃ世の中やっていけないのさ。大丈夫、正義の味方よ」
 ガガガガガガ!
 壁がアンドロイドの機銃で削られ、覗き込もうとしたジョンは思わず目を伏せた。
「うわ!ど、どうなってるんだよ、これ?」
 ジョンは自分の銃を取り出す。
「今ちょっと、ややこしいことになっててね。ごめん、ラッカーさん、お願い」
 ジェームスと場所を入れかわり、ティナはバッグのチャックをあける。そこに入っていたのは、銃身が黒光りするヘヴィマシンガンだった。ボックスで弾を給弾するタイプの銃で、どう見ても民間人が持つ銃には見えない。
「な…そんなものを持っていたのか?」
 あっけに取られるジェームスの前で、ティナはヘヴィマシンガンにボックスマガジンを取り付けた。マッドキャットを懐のホルスターにしまい、ヘヴィマシンガンのベルトを肩にかけ、持ち上げる。ずっしりとした金属の重さが、ティナの腕に力を入れさせた。
「MG5A2、アンドラス。ドイツの銃さ。これから奴らに目に物見せてやろう。行くよ!」
 アンドロイドの銃撃が止んだ一瞬の間に、ティナは銃身をを正面に出した。
 ドドドドドドドドド!
 すさまじい音を立てながら、ヘヴィマシンガンが弾をばらまく。撃ち出された銃弾はまっすぐに飛び、アンドロイドの体をとらえた。金属で出来た体がバラバラになるのがよく見える。薬莢が壁にあたり、電灯の光を反射しながら跳ねかえる。
「怪我したくないならとっとと失せな!」
 反撃を試みるアンドロイドもいたが、マシンガンの弾を浴びて倒れ込む。アンドラスに使用されている弾はライフルに使用されている弾と同じものだ。戦争時、アサルトライフルと同じ弾を使うことにより、弾切れを起こさせないようにした配慮だと言う。アサルトライフル並の攻撃力を持つマシンガンの前に為すすべもなく、アンドロイドの群は残骸になり果てた。
「ざっとこんなもんね。弁償のことを考えると頭が痛いよ、ったく」
 ヘヴィマシンガンを背負うように持ち、アンドロイドのバラバラになった破片をチェックするティナ。腕、足、体などのパーツが転がっている。原型がわからないほどに破損した物もあれば、形が残っているものもあった。
「君は無茶をする人間だと思っていたが、これほどとは…」
 ジェームスが呆れたように言い、ハンドガンを懐にしまった。
 転がっている破片を見てティナはふと気がついた。この中には、この事件の発端であり、唯一の手がかりでもあるモデルファイブの姿がない。
「一機逃してる!やつはどこへ?」
「ちょっとまって、これで…」
 ジョンが電波探知機のモードを変え、三次元画像モードにする。波長をラジコンに切り替えると、館内のアンドロイドのほとんどが操られている表示になっている。操っているであろう人物が光点で表示され、階段を上っていることがわかった。
「この建物内に操ってるやつもいたのか…他のアンドロイドも操られているなんて…しまった、アメリアが一人になっている!」
 一度しまったハンドガンをもう一度取り出すジェームス。画面では、一カ所にアンドロイドが集まりつつある。
「急ごう。とっつかまえて止めさせるんだ」
 走り出そうとしたティナが床を見ると、点々と何かの液体が落ちており、それがホールの方へ向かっている。
「オイルかバッテリーか、破損したまま逃げたな。あたしはこいつを追うから、あんた達はアンドロイドを操ってるマスターを追って、アメリアを捜して!」
 ジョンとジェームスの返事も聞かぬ間にティナは駆けだした。


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