今日、YAHOOのニュースを見ていて、いきなり「日新ラ王が終了」というニュースが目に飛び込んできました。本文を読むに、どうやらカップラーメンのラ王が生産中止になる様子です。今まで、高級カップラーメンの定番として鎮座していたラ王がなくなるというニュースに、私は衝撃を受けました。
 ここだけの話、実は私はラ王を食べた覚えがありません。食べたことはきっとあるのでしょうが、味どころか食感すらも思い出すことが出来ないのです。カップラーメンはそれなりに食べているつもりではありますが、普段は自分の好きなカップラーメンばかりを食べており、あまり冒険をしません。ラ王は値段も高く、それほど興味もなかったせいで、手を伸ばすことがなかったのでしょう。
 それでも、定番商品がなくなるというのは、衝撃が大きいです。ラ王ファンと言われる人々は、今必死になってラ王を買っているのでしょうか。正直、自分がその立場ならば、それをします。数カ年で食べきってしまうでありましょうが、それでもきっと買わずにはいられないのです。
 カップラーメンと言えば、私はアカギの「中華そば」というカップラーメンが好きでした。ラーメンの丼を模した形の入れ物に、同じ形の麺。これぞ醤油といった塩辛いスープに、乾燥したネギやチャーシューなどの具が個別包装で入っております。チープという言葉の代名詞のようなラーメンなのですが、私はこれがとても好きで、よく食べておりました。
 ところが数年前、行きつけのスーパーからアカギ中華そばが姿を消しました。インターネットで調べたところ、どうももう生産していないらしい。100均にて販売しているという情報を見つけ、100均を巡ったものの、見つけることは出来ませんでした。確かに、安っぽい味ではあったけれど、私はそれがとても好きだったのです。もう1度食べたい、と思っても、もう手に入らず、悔しい思いをしていました。
 去年、楽天にてお酒を探していたときのことです。私は、ふと思いついて、アカギ中華そばと入れて検索をしてみたのです。もしかしたら、まだデッドストックが残っていて、販売しているところがあるかも知れないと。ところが、それは思わぬ結末を迎えました。なんと、容器の形が変わり、アカギ中華そばは再販されていたのです。嬉しいやらなんとやら、もし再販されているのならと、行きつけのスーパーに行ったところ、ありました中華そば。そこで初めて知ったのですが、これはアカギというメーカーではなく、大黒食品というメーカーの製品だったようです。
 喜び勇んで、数十個の中華そばを買い込み、さっそく家で食べました。感想としまして、懐かしいけど決してたくさん食べられる美味いものではない、というところでした。思い出補正で、とても美味いものだと覚えていましたが、実はあまりそんなこともなくて。切なさ少し、懐かしさ少し、良い思いをしました。今でも私の家には、中華そばが残っています。
 食べ物は、人間の基本です。時代によって、売っているものや作られるものもどんどん変わります。今は、もう見なくなった食べ物を、復刻版と言って売る企業も多いですが、それはとても良いことだと思います。それらを口にしたとき、我々はきっと、昔の記憶を食べ物の向こうに思い浮かべることでしょう。ラ王もきっと、そんな風になるのではないでしょうか。
 
 (記載日:2010/7/29)


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