皆様は、クーロンズゲートというゲームをご存じでしょうか。以前、廃墟のお話をしたとき、ちらりとご紹介しましたが、改めて今回取り上げたいと思います。
クーロンズゲート(九龍風水傳)というのは、プレイステーションにて発売された、アドベンチャーゲームです。発売元はソニー・ミュージック・エンターテイメント(コンピュータ・エンターテイメントではありません)で、制作スタジオは是空という、今はもう解散してしまったチームです。当時、ゲーム雑誌でも大きく取り上げられていたそうで、もしかしたら名前だけご存じの方もおられるかも知れません。
大まかなストーリーは、こうです。1997年、返還を前にした香港でのお話。陰界にあるはずの謎の城「九龍城」が、なぜか我々の住む陽界に姿を現します。調べたところ、九龍城には、世界の根元として存在するはずの風水が全くない、このせいで陽界も巻き込んで消滅してしまうかも知れない。主人公は超級風水士となり、九龍城に入り込み、風水の「見立て」を行います。
風水、見立て、なんのこっちゃという諸子もおられると思います。白虎や玄武といった、四神獣というケモノのことは皆様も聞いたことがあると思います。それを、然るべき方法で然るべき方向に見立てることにより、風水が立ち現れてくるんだそうな。はい、よくわかりませんね。実は私も、風水にはあまり詳しくないので、よくはわかりません。
とりあえず主人公は、有無を言わさず九龍城に送り込まれ、風水を見立てることになるわけですが、何もヒントがないし、どうすればいいかもわからん状態から始まります。仲間らしき人が「小さな出来事は、大きな出来事に必ず繋がっているはず」という台詞を残してくれまして、その言葉の通り、やれあっちで邪気がどうとかこっちで人が行方不明だとか、そういった事件をこつこつと解決していくことになります。
暗く、湿っていて、薄汚れた九龍城。化け物もいるし、化け物じみた人間もいる。よくわからない闇組織が暗躍しているかと思えば、陽界から迷い込んだ人間もいる。この世界は、とても悪意と汚れに満ちた、異種異様の世界です。
ゲームの流れとしては、「街にて人々の話を聞く」→「ダンジョンにて妖怪を追い払って気の流れを直す」という感じです。さらっと書きましたが、ここで普通のドラクエ式のRPGを連想した方がおるはずです。ですが、そういった生半可なものではありません。
詳しく書いていくと、これだけで原稿用紙10枚は軽く行ってしまうので、本当にかいつまんだところで終わろうと思います。このゲーム、色々とプレイヤーに大して、世界観設定や前提条件などを出してくるもんで、説明がかなり難しいんです。例えば「ダンジョンで出てくる敵は鬼律(グイリー)と言い、物が邪気を吸い込んで妖怪となった姿である。木火土金水の、いずれかの属性の邪気を持ち、払うには相手の邪気を吸い取るか、属性的にうち消す邪気を当てるしかない」といったような。ゲームをプレイしていく上で、少しずつ理解していくのが妥当なんでしょう。
と言っても、プレイ時間は軽く50時間を超えますので、根気のない方はプレイ動画の視聴がお勧めです。「陰界」「風水」「中国」「香港」「邪気」「気狂い」「雰囲気ゲー」「ホラー」なんていうタグでピピっとくる方、お勧めです。是非とも、一度狂ってみてください。
何故今更こんな古いゲームの話をしたか。ちょうどこの間、PSのアーカイブスで配信が始まったからなんですね。古いゲームを再配信するというこの風潮はかなり良いと思います。そのゲームをリアルタイムで手に入れることが出来なかった人間にも、プレイの機会が与えられるわけですから。
残念ながらPS3等は持っていないので、私はプレイ動画で済ませることにしました。ところがですね、おかしいんですよ。ニコニコ動画でプレイ動画を見始めてから、パソコンが謎の再起動を行うようになりました。しかも、部屋の中に何かがいるような、謎の気配がします。外出先でいきなりタイミングが悪く嫌なことが起きることもありました。これは、つまり…。
(記載日:2010/4/20)
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