ここ数ヶ月、2004年にPS2にてアトラスが発売したアドベンチャーゲーム「九龍妖魔學園紀」のrecharge版をプレイしておりました。大まかにストーリーを説明すると、ロゼッタ協会なるトレジャーハンター組織に所属する主人公が、宝探し屋としての正体を隠して全寮制高校に潜入し、高校地下にある遺跡にて秘宝を探すというものです。
 ゲーム進行としては、学園で生活を送りながら学園に住む様々な人と親交を深める「日常パート」と、遺跡に赴き敵と戦い謎を解く「探索パート」に分かれており、シナリオに沿って一通り日常パートを過ごした後、探索パートで遺跡にて待つボスと戦い、勝利すると次のシナリオに進む、という形になっております。
 このゲーム、登場人物がかなり多い上に、そのほとんどの人物を「バディ」と呼ばれる仲間にすることが出来ます。バディは探索パートのときに2人まで連れていける仲間のことで、主人公とは違い直接的な戦闘には参加しません。バディを連れる利点として、そのバディに設定されたステータス上下を受ける、パッシブスキルと呼ばれる自動特殊行動を取ることがある、アクティブスキルと呼ばれる回数制限のある特殊行動が使えるなどがあります。
 また、キャラによって主人公に対する好感度が設定されており、好感度が上がることによってキャラと親密になることが出来ます。日常パートの会話の時なども、意見を求められることがあります。そのときには、自分の感情を表す感情パネルが出現し、愛や友や怒など全8種類の中から1つを選ぶことにより、相手の好感度の上げ下げが可能です。
 キャラの中で、特に気に入ったのは、学生でも教師でも事務員でもない人物。学園内に存在するファミリーレストラン、マミーズの女性店員「舞草奈々子」です。ほんとこの子、かわいいんですよ。オレンジのヘアバンドに、先がくるりとした栗色のミドルヘアー、口は猫口です。通常はマミーズ制服であるオレンジ色のメイド系制服を着て、お盆を持っております。性格はきわめて奔放、落ち着きがなくて慌て者で明るいです。言動もかわいらしいもので、好物のカニすきをあげたりなんぞすると「どえええええ!?こっ、これをあたしに!?」とオーバーリアクションで喜ぶような一面もあります。
 九龍妖魔學園紀recharge版、舞草奈々子。この2つの言葉で、知る人は「まさか…」と嫌な気分になることでしょう。このゲームではシナリオ上で、クリスマスを迎えるシーンがあり、好感度の高いキャラクターと、クリスマスの特別イベントを見ることが出来るのです。奈々子に心奪われた私は、このクリスマスイベントももちろん彼女一択で、イベント時期になったとたんに彼女の働くファミレスにムーンウォークをしながら特攻しました。もちろん、顔は初めてのキスの表情です(※1)。
 いいムードになり、奈々子かわえええと叫びながらイベントを進めていたところ、急に「奈々子の叫び声 : ああああああ:::::呪::::祟::::」などという謎の文章が出たかと思うと、画面と音楽が停止しました。それは、まさに恐怖。甘いクリスマスを過ごしていたはずの相手から、いきなり呪うだの祟るだの言われちゃたまりません。しかもフリーズだなんて、初めてのボクには刺激が強すぎます。元気系おっちょこ娘だと思っていたらヤンデレだったかと戦慄したのです。
 ネットでこのことを調べてみたところ、どうやら正式に出現が確認されているバグの様子でした。どうも、このイベントはrecharge版にて追加されたものらしく、流れるイベントボイスの容量が巨大なために起こる症状のようです。しかも、ハードのロットにも依存するらしく、PS2本体の30000番などでは必ず起きるとかなんとか…。なんという恐ろしいことでしょう。
 しかしまあ、こんなことで、恋の暴走特急が止まることはありませんので、条件出し開始です。以下に、試験した内容と効果を書きだします。

 症状:画面上に「奈々子の叫び声 : 」とだけ表示されてフリーズする。もしくは、文字化けした文章が表示されてフリーズする。

 1/ボイスをオフにする
 ネット上で調べたときにはこの方法がかなり有効らしいです。ボイスを開いて、音量を0にすることで、ボイスが消せます。思えば、ボイスの容量が大きくてバグが起きているのだから、当然と言えるでしょう。ですが、この方法のみでは動作しませんでした。

 2/選択肢を変える
 感情表現パネルがここでも出てくるのですが、そのときにポジティブな表現が出来る感情は「愛」「喜」「友」「熱」の4種類です。愛を選んでバグが起きるパターンが多いので、他の3通りを試しましたが、バグは起きるばかりでした。

 3/PS2を傾ける
 前に使用していたPS2(現在は壊れた)は、最後には270度回転すると読み込みがよくなったので、こちらでも試してみました。ですが、効果は無し。

 4/音楽をオフにする
 メモリが足りないのならば、音楽もオフにすればいいとの発想でオフにしました。ですが、音楽の音量を0にしても、どうもバックで音楽自体は流れているようで、オンに戻すとオフの間に流れた時間後のところからBGMが始まります。案の定、成功しませんでした。

 最終的に、1と2と4を複合で行い、5度同じことを試して初めて成功しました。当該個所の文字化けは消えませんでしたが、上々と言えるでしょう。メモリの温度とか、リセット時の状態とかが問題になっていそうですが、そこまで検証するだけの頭は私にはありませんのでおしまいです。私は、こういうイベントのときには、1つセーブを残しておいてそのイベントを何度も見るということをしております。しかし、こんだけ安定度が低ければ、もうそれも出来ません。南無。
 …と、思いきや。バグもなくすんなりと行く条件がありましたので、ここで一応書いておきます。

 1・1度ゲームをクリアして、クリアデータをセーブする
 2・タイトルに戻った後、「続きから」でクリアデータをロードする。ちょうどクリスマスイベントの前から始まる
 3・音声、音楽共にオフにしない状態でファミレスを選択、舞草奈々子に話しかける
 4・選択肢画面で「愛」を選ぶ

 この方法で、2度成功しました。しかも1度は文字化け画面が表示されない状態です。重いと言われていたボイスの方も、問題なく聞くことが出来ました。このために、面倒くさいラスボス戦闘を2度しましたが、愛のためならば問題なす。少々検証回数が少ないのはごめんしてください。
 恐らく、九龍妖魔學園紀rechargeをプレイしていてうちのホームページに来る人間はおりませんでしょうが、アップだけはしておきます。あなたに良い学園生活が来ますように。

(※1:島根では初めての人の家にあがりこむときにはこれをするのが礼儀です)

 (記載日:2010/1/26)


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