「夜中にいきなりままごとがしたくなることないか?」とは、あるゲームに出てくる怪しいキャラの台詞ですが、私は昼食や夕食に、突然「朝食メニュー」が食べたくなる人間です。それも、イメージと偏見に満ちた朝食メニューを。例えば、ある日の夕飯を考えていたとき、いきなり「和風な朝食メニュー食べたい」と思いこむ。すると、スーパーに行き、魚を買い、豆腐を買い、納豆を買い、帰って調理。焼き魚に納豆、豆腐のみそ汁というメニューで食事をしてしまいます。またある日は「洋風な朝食メニューを食べたい」と思いこむ。すると、食パンを買い、ニンジンと豚肉を買い、ベーコンを買い、レタスを買い、卵を買い、帰って調理。コンソメスープに焼きベーコン、目玉焼き、グリーンサラダ、トーストというメニューで食事をしてしまいます。
 ただ、朝食メニューを詳細に調べようとすると、あまり情報が出てこないのが現状です。もちろん、探せばあるんでしょうが、「オーソドックスで安価な和風朝食メニューを揃えたい」などという要求には応えてくれません。古本屋に行けば、料理本などでオーソドックスなメニューは見つかりはします。例えば肉じゃがや魚の煮付けなどは、日本食としてはなかなかにポピュラーなものです。ただ、それを朝っぱらから作れるかというとそうでもないわけで、これらは朝食メニューと言うよりは、前日の残り物メニューとなりかねません。真の朝食メニューへの道はまだまだ遠いようです。

 食べ物と言えば、こう、層状に重なった屋根上の雪ってミルフィーユに見えませんか?5センチほど降って積もって凍ってまた降って積もって凍って、を繰り返すと、雪が層状に積もるわけですが、端が屋根の下に落ちると断面が見えるんですよね。その断面が、まさにミルフィーユそっくり。あの食感がよみがえりそうです。かと思えば、斜めになっていたり弧を描いていたりする雪は、どこかバームクーヘンにそっくりにも見えます。
 こういう、どうでもいい欲求やどうでもいい想像力は、私の創作活動の種となることがよくあります。出来れば、いつまでも忘れないでいたいものです。数十年後のある日に、ふと「あれ、朝食メニュー食べたくね?」とか「あれ、あの雪ミルフィーユに見えね?」とか、思っていられたらいいですね。

 (記載日:2008/3/12)


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