ロマン。漢字で書くと浪漫。これは元はロマンスが語源で、恋愛や冒険、空想などの類が詰め込まれた物語のことを言うそうです(from YAHOO辞書)
 この言葉「男には浪漫がある!」などと使ったり、「ロマンを追いかけて生きていきたい!」などと使ったりする代物です。これを意訳すると「男には冒険的要素がある!」だとか「恋愛的なあこがれを追いかけて生きていきたい!」となりますね。ロマンの後にチックがつけばロマンチック。ステキな恋愛的要素のことを言うんでしょうが、なぜチックがつくんでしょうね。あれか、相棒はタックで、水に入ると錆びるロボット達のことか(※)
 ここで取り上げたいのは、恋愛ロマンの方ではなく、男性的ロマンの方です。生物学的なことを調べてみたところ、男性は狩猟、女性は果実採集という役割が太古の人間にはあったそうで、男性=戦闘だとか、男性=未開の地に踏み入ってモンスターハント、というのは、案外定められたものだそうです。だからこそ、男のロマンというと「戦い」だとか「冒険」と言った要素が強いのだと思います。
 よくある「ドリルは男のロマン」とか「自爆装置は男のロマン」という言葉に我を当てはめさせていただくと、まず「ショットガンは男のロマン」と言わざるを得ません。ショットガンというのは、一般的に散弾銃と言われる個人携帯銃器の一つです。約1メートル程度の銃身に、手で握れる程度の弾を詰め込み、薬室に弾丸を装填。標的に向かって引き金を引けば、粒になった鉛弾が広範囲に拡散して飛びかかる。1粒スラッグ弾を入れれば強力な破壊力を持ち、アサルトライフルの下部につければドア破壊用の破壊兵器、いわゆるマスターキー(万能鍵)になり、至近距離で発砲すれば鉄板すらも貫く。恐るべき力を持った銃です。
 さらに「ミサイルは男のロマン」とも言わざるを得ません。大筒から発射されたそれは、鳥とも鳥竜とも違う姿形ですが、自力で空を飛ぶ術を持ちます。燃料を燃やし、高速で飛行し、標的を電子的にマーキング。自らの機体をぶつけ、強力な爆発と共に、標的を破壊する。多弾頭などといったらそれはもう、恐ろしいものになるでしょう。
 ただ、誤解しないで欲しいのは、私がショットガンやミサイルで害をなすことにロマンを感じるわけではない、ということです。元々は殺人兵器であるでしょうが、それを殺人や純粋な破壊、敵を打ち倒すことにだけ使うのは、あまりにも残酷だと思います。例えば剣道。剣術から派生したスポーツであり、その主目的には「敵を殺すこと」や「相手を破壊すること」は含まれておりません。だからこそ思うに、ショットガンにしろミサイルにしろ、スポーツや高級道楽の範囲で存在してほしいです。武力は破壊という恐怖をはらんでいるわけで、いかにショットガンやミサイルをロマンだと感じている厨二病患者な私でも、ためらいなく人や動物に使用は出来ないです。
 もちろん「敵を打ち倒してこその男のロマンだッ!」と申す方のことを否定するわけではないです。私自身、物語の中では「敵」を作り、キャラクターを戦わせることをしている人間です。リアルでも、敵だと思っている人物はいますし、そう言った人間から死ぬほどの屈辱を与えられたりしたら、後先考えずに手が出そうになります。ただ、殴ったり蹴ったりしてすっきりするかと言ったら、そうでないことを経験として知っているので、いきなり殴ってやろうとは思いません。敵を打ち倒す手段は暴力や火器でなくともいいわけですから。もちろん、身の危険を感じた上、逃げられない状態に追い込まれ、それ相応の武力が手元にあれば、ためらいなく使用しますが。この辺りはエゴなんでしょうね。

 そうそう、忘れてました。もう一つロマンだと思うのは、ケモノ娘だとかパンティラだとか、いわゆる性的な意味で、のものです。その辺りはまあ、今回は詳しく言わないこととしますが、やはりそれもまた恐怖をはらんだロマンであります。
 お願いですから、こう、いきなり玄関のチャイムが鳴って、通販かNHKの支払いかと思って出たら犬耳犬マズルで身長150から160センチメートル程度の小柄なケモノ娘が現れて、ずかずかと家に上がり込んでずるずると同居生活をすることになって、掃除や洗濯や料理が分担制になったりおかしなイベントが発生したりで、最終的に子供がたっぷり産まれて同じ墓に入るハメになるような、そんなことを私にしかけようとしている方がおりましたなら、是非ともやめてください。いいか、やめろよ!絶対すんなよ!

 (※チック・タック:ファミコンのRPG「ラグランジュポイント」で仲間になる戦闘用ロボ。フィールドにある水たまりに彼らを入れると「錆」という状態異常になってしまう)

 (記載日:2007/9/11)


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