世間で段ボール肉まんなるものが流行って、それが模造だとわかってから数日が経ちました。まさかあれが模造だと、私は思っていませんでしたので、かなり衝撃でした。というのも、実は私、無害な段ボール使用肉まんを作ってみようとか思ってたからなんですね。
そもそも段ボールというのは何でしょう。ネットで調べたところ、厚紙を張り合わせた板状の紙という説明が出ました。これは梱包に使用したり、箱にして物を入れたりするように、丈夫に出来ています。私の部屋でも、棚やタンスを使う代わりに、段ボールを使用して収納しています。
さて、ここで問題となるのは、段ボール自体は有害か無害かです。調べたところによると、段ボールの原料は古紙や再生紙、つまるところ雑誌や新聞のようです。雑誌や新聞を見てみれば、真っ白ではなく、どちらかというとくすんだ色をしています。これは雑誌や新聞自体も、前の代の雑誌や新聞を使用したリサイクルで出来ているからです。漂白出来ないことはないでしょうが、コストがかかるようで、そんな無駄はしないようです。最初から木を使って段ボールを作る場合もあり、様々です。
ここまでで、段ボールの材料が紙、それも再生紙が多いことがわかりました。さて、再生紙は何で出来ているでしょう。単純に考えるならば、木の繊維と印刷インクで出来ているということになります。これ単品で考えると無害なような気もしますが、少し待ってください。木の繊維を梳いてそのまま紙に出来るはずもなし、何か加工をしているはずです。そこで調べてみたところ、コピー用紙を作る時点で、紙はもう漂白されているようなんですね。また、紙の原料であるパルプを作る際に、何らかの危ない薬品を使用しているようです。超有害というわけでもないですが、無害でもないようです。また、印刷インクも添加物たっぷりで(大豆インクやイカスミインクなどの例外あり)、無害ではないようです。
結論として、段ボールは必ずしも無害でないということがわかりました。さらに今回問題となったのは、段ボールをカセイソーダなる劇物で煮込むという荒技を使用していたからです。カセイソーダは苛性ソーダと書きます。皆さんに親しみ易い言葉に置き換えるならば、水酸化ナトリウムでしょうか。強アルカリ性の物質で、水によく溶ける。昔は石鹸の材料などに使用されていました(夏休みの宿題にこれで石鹸作ったし)。要するに、微有害材料を、強有害物質で加工し、段ボールを挽肉にすることが出来たという話のようです。そりゃ、水酸化ナトリウムなど使えば、紙どころか様々なものが加工できそうです。そもそも、紙なんざセルロースで出来ているわけですから、何かしらの加工をすれば糖に分解されて柔らかくなる気もします。無害な加工法で、柔らかくする方法があれば、微有毒であっても段ボールを挽肉にする、ある種の錬金術が使えるようです。ほら、某有名メーカーの高級ティッシュなど、舐めれば甘いわけですし、あれも何かしらの加工をしているものだと。
そう、ここでティッシュなる伏兵が現れました。何も段ボールを使用しないでも、最初から柔らかいこいつを使えば美味く挽肉が出来るかも。ただまあ、紙自体が元々食用に考えて作られているものではない(ティッシュにドレッシングをつけて食べている人はいましたが)ので、こいつを食品に変えようとする時点でそもそもの間違いのような気もします。こうして、紙使用で無害な肉まんの作り方は幕を閉じさせていただきます。ほら、食べられはするけど不味いものだろうし。長々とすみません。
(記載日:2007/7/23)
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